持ちつ持たれつ
この方の近所には、叔母や従兄がいて、インフォーマルサービスを頼りに過ごされてきました。
ところが、頼りにしていた叔母さんが『疲れ果てた』と。
どうやら叔母さん、お一人で背負っていたようです。
なので、フォーマルサービスである在宅支援が始まりました。
掃除、洗濯(几帳面)金銭管理(レシート管理)服薬管理(チェック票有り)は、ご自身がされていて、ヘルパー支援で希望する内容は、調理と買物との事。
業務自体は、これといって難しい内容でなく簡単です。
調理に関しては、経験がないので、ヘルパーが必要かな、と。
冷蔵庫の中を拝見しますと、朝食用のバナナや食パン、牛乳などが入っており、自分で買ってきたと言われたので、それが出来るのだったら、ヘルパーと利用者さんで役割分担してみない?と提案しました。
利用者さんの答えは、ノー
真っ向から否定されました。
最初は無理でいいのです。
ヘルパーとのやり取りのなかで、どんな食材を使っているのか見てもらい、関心を持ってもらえるよう努めますので。
この方、障害者雇用枠での就労を目指しており、実習先へは、自家用車で出勤されていて、土地勘があって、スーパーのチラシを眺めて値段のチェックもされています。
玉子の買い出しが出来ないわけがないと思うのですが・・
次回は、オムライスを作るから、玉子の買出し頼んでいいかな?
答えは『買ってきてください!!!』
こういう感じで数年間、 その間、何人かのヘルパーの交替がありました。
業務事態は難しくないのですが、日々就労実習に励まれ、ストレスが増幅した時、ヘルパーに当たるという事が度々あり、ついにヘルパー側が参り、敢えなく交替せざるを得ない事態に陥るのです。
その都度、利用者さんと話し合いをします。
私は、悲しい気持ちになります
ヘルパーさんも大事。ヘルパーさんの気持ちも分かる。利用者さんに美味しく食べてもらおうと、買い出し時は食費を抑えようと、特売の食材を選んで購入して、いざ調理の業務に取りかかった矢先、怒鳴られる。
何故、怒鳴られなくてはならないのか、渦中に浸かると理解できないですよね。
だけど、この利用者さん、ヘルパーにだけカッとなるわけではなく、就労先でも、癇癪を起こすようです。
そして、ジョブコーチからも指摘されていて、自分のそういう障害特性を認識されていらっしゃいます。
ですので、気づく力をお持ちの方なのです。
怒鳴った後、あっ!! と。
ヘルパーさんに怒鳴ってしまったと、私の携帯に利用者さんから連絡が入ります。
私は、ヘルパーさんに、その旨を伝えます。
調理してくれてること、有り難い、なのに申し訳ないと感謝と謝罪を述べてることなど。
ちゃんと自分で分かっているんですよ。
そういうことの繰り返しで、三年が経ちました。
ある日、ご本人さんから、『今日は玉子が安いので、買っておきます!! へルパーさんに、玉子は買わなくていいと伝えておいて下さい!!』
と電話がきました。
私は、うれしい気持ちでイッパイになりました。
それと同時に、また辛くもあります。
認めてもらおう。
受け入れてもらおう、と精一杯、どこまで頑張れば報われるのだろう・・
援助する側の救済も必要ですよね。参考までに