救急車要請マニュアル
緊急事態になるとは予想だにしていなかった。
人というのは、いつ、どこで、何が起こるか予測できない。そんなことは起こらないだろうと思いたいが、どうやらそういうワケにはいかないようだ。
利用者宅に訪問して、近況を伺い、話しを聞く。自立を保ち、生活を送ることは素晴らしいことだ。しかし、それが、かろうじてである場合、未来に起こりうる事態を想定して、本人にそのリスクを伝えることも。
小一時間ほどが経ち、そろそろ、おいとましようと、どのタイミングで腰を上げようかなどと考え、向かいに座る利用者さんをぼんやりと眺めていた。
さっきまでと様子が違ってみえた。たった1分たらずの沈黙の間に、何かが起こっていた。容態が急変し、さっき話ししていたリスクが、私の目の前で今ここの現実に起こった。
こんな時は至急、救急要請が必要
- 意識がない。
- 呼吸停止、心臓停止で人工呼吸または心肺蘇生法が必要な人。
- 呼吸が困難である。
- 胸痛がする。
- 怪我をして出血がひどい。
- 腹部を強く打った後、痛みが強く、嘔吐や吐き気がする。
- 広範囲なやけどをした。
- 頭を打った。または、その他の理由で意識状態がおかしい。
- 事故などで、脊髄を損傷したおそれがあり手や足の一部または全部が麻痺している。
- 激しい腹痛がする。
- 大量の吐血や下血がある。
- 痙攣が続いている。
119番 救急車を呼ぶ
① 119番にダイヤル
② 「火事ですか?救急ですか?」と訊かれるので、「救急です」と答えます
③ 「どうしましたか?」
事故や傷病者の状態・いつそれが起きたのか時間帯を説明する
これまで掛かったことのある病気の履歴を訊ねられることも。お薬手帳に現病歴・既往歴を記載しておくと、一目で分かるのでいいですね。あと、それが起こった時間も把握して伝えると尚いい。緊急を要しますが、時計もチェックです
④「住所は、どちらですか?」
住所や目印を伝えます
⑤「名前は? 性別は? 年齢は?」
落ち着いてハッキリと伝えましょう。この場面でも、お薬手帳があると便利です。氏名や生年月日などの欄があります。質問に、頭で考えて思い出しながら答えるよりも、お薬手帳を見ながら、救急隊の質問に答えていく方が、動揺を軽減できそう
⑥意識の有無を訊ねられる
呼びかけに、どう反応しているかを伝える。観察したままを報告しよう!
⑦通報者の氏名や電話番号、関係性などを訊かれる
「家族です」「身内です」「友人です」「ヘルパーです」「隣人です」「彼氏です」「彼女です」「近所の者です」「通りすがりの者です」などなど
⑧「掛かりつけの病院、希望される病院はありますか?」と訊ねられる
※あれば申し出ましょう!
⑨「サイレンの音が聞こえたら、出来るだけ救急車を誘導してください」と要請者に指示されます
速やかに誘導することで時短を狙います。
⑩救急隊が到着したら、行った応急手当、容態の変化、傷病者の既往歴など、再度訊ねられます
上手に伝えられなくもいいのです。医療分野の人間ではないのですから。救急隊の質問に一つずつ分かることから伝えましょう!
※ 一刻を争う事態です。持っていくものなどは、後からでも間に合います
早い目の判断に躊躇のないように☆救急車要請マニュアル