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墜落上等、人間は一人では生きていけない『死からの生還』著者 中村うさぎ を読む

中村うさぎ著書『死からの生還』を読みました。

 2013年8月、原因不明の体調不良により入院され一時は心配停止に陥るなどしましたが、その年の12月に退院され復帰されています。大病を患う前と後、氏は何をテーマにして探求していたのだろう。 “我々はもっと積極的に墜落しようではないか。誰かを求め、誰かを必要とする自分を恥じる必要はない。死から生還した私が心から伝えたいのは、このことなのである” 

 

死からの死からの生還生還

 

 

“私は化け物だ、女という存在のグロテスクなパロディだ”(p.318)

 

当時私はコンビニで週刊文春を手に取りページをめくるや否や、コラムの冒頭に書かれたこの言葉に度肝を抜かれ即買いしました。他にも考えさせられる言葉がギッシリとある。

 

“化け物である自分が楽しい” “私は欲望する主体である” “人間とは欲望のフリークス” 

 

という自己認識を得た時、女王様は何か晴れ晴れとした気分になったのを覚えている

言葉こそ過激であるが、氏は“最初から化け物になっていればよかった”と綴っている。何をテーマにしてそこへと辿り着いたのか。これは第4章に書かれている。

 

・他者の欲望から自由になることであなたは初めて自分を獲得する

・欲望に忠実に生きる女を、世間は異型の化け物と認定する。が他者の欲望から自由になることであなたは初めて自分を獲得する

・「私は何が欲しかったのか?」

・己の欲望に目覚めることは本当に幸福だったのか?

 

私が私であるために、自分の欲望に忠実であれと示唆するが、そう目覚めることで立ちはだかる壁と向かい合う必要も出てくるだろう。それでも氏はフリークスであることを選んだ。強い・・

 

まとめ

欲望に向かってブった切って猛進していくという真似はなかなか出来ないですが、氏が探求するテーマは私の中にも問いとして存在している。私が思う氏の魅力はそこにあり、女の業を生きて女を哲学している。そして病と向かい合うコラムもあり、欲について深く考えさせられるオススメの一冊です

  

死からの生還

死からの生還