分かちあいたいブログ

福祉サービス事業所で働いてます。福祉のこと。他いろいろ 

しがらみから離れて暮らす想像をしてみた

「リセットしたくなった」と言って、退職されたヘルパーさんがいる。その方はオールマイティに仕事をこなす中高年の女性で、仕事を選ぶが一貫して安定した業務を遂行されるので、会社にとっては重要な存在であった。わりかし優遇された働き方をしていたこのヘルパーさんが言うリセットとは、どういう事なんだろうかと、詳しく話しを聞いてみると、家守りは子供に任せることにして従妹のいる地域へ夫婦で移住して心機一転するのだという。そして新たに移り住んだ地で再びヘルパーをすると言っていた。

 

 訪問介護で日本全国まわれたら最高かもしれない。

石切の坂道がファンタジーな件 - kaztrellaの日記より

 

こちらのブログを読み、引用の箇所には、そういうのもいいなと強く思った。

退職されたヘルパーさんは、温泉に入り毎日を過ごすと言っていた。しがらみからの解放が待ち遠しいようで、その表情は爽快そうに見えた。

 

ヘルパーという仕事は私は嫌いではない。面白いと思っている。介護技術が身につき、ある程度の制度の理解があれば、介護士というのは介護職人という独立した存在へと進化を遂げるように感じている。介護職の給与の低さは、今に始まったことではないので、この職に就いて長い人ほどこの仕事への耐性ができているのかもしれない。愚痴程度は言うが給与明細をみてその場で憤慨した人は少ない。給与明細をみて笑う人は何人か見たことあるが。

 

リセットといえば、もう一つ思い出すのが、特養から看護助手に転職したベテランの介護士がいた。この方は、介護福祉士国家資格の実技試験研修の講師も勤められていた方で、それなりのポジションにいたと思われる。そんな方が何故看護助手にと訊くと、子に、手もお金もかからなくなったので、仕事で煩わしいのが嫌になって、レクリエーションを考えたり、夏祭りに駆り出されたり書類作ったり、要は疲れたという事のようだ。

 

長く勤めていると、義務以上の責任を背負っている感というのはあるのかもしれない。そこから逃れる以外にリフレッシュができないというのであれば、一度、背負っているものを捨てるという考えもありだと思う。介護士にしてもケアマネにしても、利用者目線から外れた会社の利益云々の囲い込みに嫌気がさして、独立した人や転職した人を何人か見て、つくづく思うのが、この介護という業界で働いているうちに職人気質が強くなっていくものなのかもしれない、と。

 

今なら人手不足から介護士大歓迎ムードの最中とあって、全国どこへ行っても働き口はあるだろうから、私もリセットしたい気分がマックスに達したら、ぶらりと移住というのも悪くないような気がしてきた。この転職と移住の想像はとてもワクワクとする。