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映画 『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』を観た感想

強さと力を、生きている者の幸福の為に使うでござるよ、という内容の映画を観てきました。

 

 

和月伸宏の人気コミック「るろうに剣心明治剣客浪漫譚」(集英社ジャンプ・コミックス刊)の実写映画化。2014年8月に公開『京都大火編』前編に続く後編の『伝説の最期編』2部作連続公開上映

あらすじ

動乱の幕末、倒幕派の暗殺稼業を引き受け、かつては「人斬り抜刀斉」と恐れられた伝説の剣客、緋村剣心佐藤健明治維新後は二度と人を殺さないと誓いを立て、流浪人として旅をし、そこで出会った仲間と穏やかな日々を送っていた。その一方では剣心の後を引き継ぎ影の暗殺者として戦った志々雄真実(藤原竜也維新派の勝利後、仲間たちに裏切られ滅多打ちをくらい身体を焼かれるも一命を取り留め這い上がり、ならず者を集め日本制圧を企てる。

明治が舞台の物語。

 

※ 以下、ネタバレ注意。

原作を読み込まず、人気コミックの実写映画というだけで観た者の感想です。原作ファンの方の思い入れと相当ズレている事が予測されるかと思います。

  

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配役・役者が誰かも分からず「仕事で付き添い」という軽い気持ちで観ていました。何も知らずに観たもんだからキャストの顔ぶれが凄くて驚きました。

 

前編『京都大火編』

冒頭から江口洋介が演じる斉藤一と、藤原竜也演じる志々雄真実とが対峙する。志々雄のアジトに斉藤は乗り込むが部下たちが斉藤の目の前で惨殺される。藤原竜也は包帯でグルグル巻きの姿で目とクチのみの露出であるのに志々雄真実という狂気の沙汰を見事に体現。

 

藤原竜也という役者の存在感が凄いのと、のっけから炎のこのセット。美術も凄い

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後編『伝説の最期編』

福山雅治が演じる比古清十郎佐藤健が演じる緋村剣心の剣術の師匠であり、剣心の光と影を統合していく過程に於いて重要な役割として登場する。師匠の比古清十郎は、弟子である剣心に、自分の内側へ向かわせる言葉を投げかけるも答えが見出せずにいる剣心。奥義の会得を願う剣心に師匠は容赦なく剣を振るう。内的にも外的にも刃の切っ先に剣心を立たせていく。

 

福山雅治の一言一句どれも聞き逃せない。というのも剣心は此処で成長していくわけで、セリフと演技が気になる。耳をそばだてました。聞き取りにくいとかそういう意味じゃないですよ。

 

アクション  キャスト  X  見どころ

 

■ 神木隆之介が演じる瀬田宗次郎

志々雄が率いる特攻部隊の筆頭であり側近。悲しい過去を背負い喜怒哀楽の楽以外の感情が欠落し笑いながら戦い人を殺す。「縮地」という瞬時に相手との間合いを詰め接近する武術と剣術の才を持ち、剣心を追い詰めていく。

見所 

前編は速さと強さと感情欠落といった宗次郎の人物像がシャープに描かれていて、剣心を圧倒するその余裕っぷりに、さすが側近だなという印象で、後編の戦いを期待せずにはいられない。剣心の成長が宗次郎にどんな変化をもたらすのか。殺陣シーンは身を乗り出す勢いで観ました。良かった!!

 

宗次郎の自我が崩壊する様は見応えありました。リアルです

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 ■ 伊勢谷友介が演じる四々森蒼紫

元隠密御庭番州のカリスマ。幕府の謀報舞台を務め維新の際に仲間が口封じの為幕府に惨殺され、新政府後も「俺の幕末は終わっていない!」と怒りの矛先を剣心に向け対決を挑む。拳法と小太刀二刀流の戦闘力を持つ蒼紫と剣心が後編でいよいよ対決の時を迎えます。

 

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画像は前編の元隠密御庭番州の田中泯演じる翁/柏崎念至との戦いのシーン。蒼紫の戦いは前編が良かったように思いました。 

 

 

煉獄船倉 最終局面

 

煉獄というのは志々雄の戦艦名で、そこを舞台に役者が集まり戦いが繰り広げられます。

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役者が揃うという言葉がありますね。1対4で志々雄を囲み皆が皆、必殺技でもって倒そうとする。なんせ志々雄は強くて怪物そのもの。江口洋介斉藤一伊勢谷友介四々森蒼紫)青木崇高相楽左之助佐藤健緋村剣心すごい顔ぶれが揃い猪突猛進で掛かっていくのですが・・

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観終わった感想

慈悲は他者にだけでなく、剣心がそうしたように自分自身にも向ける必要がある。もし志々雄に慈悲が宿ったならば、弱肉強食の信念に知恵が宿り、十本刀の参謀たちと共に弱き者を助け守ることに怒りや悲しみの感情をも建設的に使うようになったのではないだろうか。結果は、志々雄の強さが自らを滅ぼすアザとなったが、その幾つものアザとなった欲望を探ってみる事で権力の影の部分が浮かび上がる。

そして映画のメッセージから「生きている者の幸福」について

どのように捉えているのか自分自身の幸福とは?と見直しす機会にもなりました。そして今、権力を持っている方々にも観てもらいたいなと。志々雄を鏡に是非自分自身を見つめていただければ幸いです。

 

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オマケ

前編の『京都大火編』に歴史上の人物である大久保利通が登場します。その配役が、ザ・ブームのボーカル宮沢さんなんですけど、観ていてズッコケましたね。後にも先にも大久保利通登場シーンほど観ていてソワソワするものは無かった。宮沢さんの目が優しすぎるのも気になりました。宮沢さんのファンだけに。衣装も何かね。

それと、剣心が「大久保さん、やつれましたね」というセリフが映画の序盤であり、私、剣心がどんな人格の持ち主か知らないので、剣心とは、剣術も達者ならクチも達者なパンチの効いたイヤミの言う男なのかなと思ってしまいましたね。

どう見てもヤツレてなんていない宮沢さんに向かって、「やつれましたね」って・・宮沢さん、役作りに間に合わなかったのかもしれない。

 

おしまい。