多様な価値観
障害者の雇用の機会の拡大などを目指す事業の研修で、障害者福祉サービス事業所に通う利用者の目標を考えるという事例検討の際、同グループにいたおばちゃんが、『A型に移行して社会の一員を目指す!』と言った。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/shurou.html(参照)
この発言は、雇用されているという形態を持たない者は、社会の一員ではないという意味に聞こえる。
私だけでなく、同グループの皆が、その発言の後に暫く沈黙したということは、だいたい似たようなことを感じたのではないかと思う。
この研修の受講条件は、実務経験年数を要する。
ということは、このおばちゃんも5年以上は障害者福祉サービスに携わっているのだ。
そして何より驚いたのは、このおばちゃんは、ある作業所の代表者であったことである。
このおばちゃんが、利用者との接触が直接あるのかどうかまでは知らないが。.
・・
しかし、実は、このおばちゃんだけでなく、また別のおばちゃん経営者も、驚くような発言をしていた。
研修が時間の経過と共に進むにつれ、全体の場の臨場感も高まり、盛り上がってき頃、ニヤニヤと、口をとがらせ、小首を傾げて、『利用者の幸福なんて考えたことがなかった』と言った。
裏を返せば、自分の幸福については考えるが、他の人の幸福のことなど考えないということだ。
このおばちゃん二人に共通するのは、使い捨てカメラが流行っていた頃に、20代30代を過ごしている。
研修では、さまざまな価値観を持つ人との出会いがあり、事業所内だけの付き合いに限定していては、到底得られないであろうものを得ることができる。
それにより、 開眼できれば、それは自他共に救済となるのではと私は思う。
が、何を価値とするかは個人の自由なんだけど。
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
- 作者: 日野瑛太郎
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